Maynard氏のブログ追っかけ

2月11日は、ダーウィン生誕200年から合成生物学へという話。

ダーウィンが切り開いた現代生物学は、遺伝コードを解読し、デジタル化し、それらを操作あるいは創作し、生命体に戻すという方向に向かっている。皮肉なことに、それは、ダーウィン流進化論への反論の1つである「インテリジェント・デザイン」にますます似てきている。この場合、デザイナーは「神」ではなく「人」だけど。1000年後、そこにある生物は、進化適応の産物か、科学者によって意図的に設計されたものか、区別できるだろうか?でもたぶん製作者は意図的にバグを入れるだろう(Craig Venter氏がそうしたように)と、Maynard氏は考察する。

2月16日は、エンターテインメントにおける科学の役割についての話。

シカゴで開催されたAAASの年会で、映画やテレビにおけるエンターテインメントとしての科学、というセッションに参加することになったMaynard氏が、講演に向けていろいろ考察。

2月19日は、特別にテイスター編。

テイスター(味見)ということでブログ初心者向けに、2020 Scienceブログのエッセンスが分かるエントリを数点再録。

2月23日は、再びJasanoff氏をフィーチャーして「科学と社会」についての論考

オバマ大統領が就任演説で"restore science to its rightful place"と宣言してから1か月。12月24日のエントリでも取りあげられたSheila Jasanoff氏が、Seed Magazineのウェブサイトに2月17日付けで新エッセイ、"The Essential Parallel Between Science and Democracy"を発表した。

2月26日は、"What is Nano?"ビデオコンテストの話。

ナノテクノロジーを説明するのは難しい。ACSが主催したビデオコンテストへの応募作品はそんなニーズに答えられるかもしれない。作品は3分以内で、賞金は500ドル。締切は3月12日。Maynard氏のお気に入りは、チーズを切っていくこれ。表面積がどんどん増えていくことが分かる。Maynard氏の11歳の息子の作品もエントリされている。
30のビデオの中から、審査員によるチョイスとウェブ上での投票が行われ、ミュージカル調の"The Nano Song"が両方でトップになった。Maynard氏はそんなにお気に召してはないようだけど。審査員投票の次点はこれ。ウェブ投票での次点はこれ

3月2日は、ナノリスク研究は10年間で進んだかという話。

Maynard氏は10年前、英国HSEへ提出したナノリスクに関する報告書の執筆者に名を連ねていた。タイトルは「超微粒子エアロゾル研究と、現在および将来の研究ニーズに対するHSLの能力についての予備的調査」。驚くべきことに、そこで勧告されている研究テーマがまるで2009年に書かれたかのようだった。研究自体はもちろん進歩しているけど、基本的にはまだおんなじようなことが議論されているのだ。

3月6日は、"Fry Event Horizon"を例に、いい加減の予測についての考察。

Twitterの話。フランス人コメディアンのStephen Fry氏はものすごい勢いでfollowerを獲得し、3月6日時点では267,336人。この勢いを対数軸で外挿してみたら・・・というのがこの図。地球の人口に到達するXデーが2010年3月8日ということになった。これが"Fry Event Horizon"だ。なんて、指数関数的な予測はもちろんおかしいわけだけど、科学的な装いを持ってしばしば語られる。ちなみに、4月15日時点では412,734人に増えていた。

3月13日は、21世紀のための科学技術を再考するという連載スタート。

オックスフォード大学のJames Martin 21st Century Schoolで、Maynard氏は3月12日に「再考:科学技術イノベーション」と題する講義を行った(講義スライドのpdf)。スライドの後半部分は1年前から使っている「ナノの3つのS」だ。これに加えて、「3つのC」が加わった。このネタはいずれ学術論文に仕上げていくそうで、これからこのブログで何回かに分けて連載するとのこと。