Society for Risk Analysis(SRA)の年会がボルチモアで開催

今週は米国ボルチモアで、Society for Risk Analysis(SRA)の年会が開催された。今年はパスしたのだけど、もし参加してたらこのセッションに出てただろうなというものを、プログラムを見ながら妄想。

月曜日

10:30からのセッションでは、"M2-I Symposium: Nanotoxicologists and Risk Assessors: A Conversation about Fullerenes"に出たと思う。ナノリスク関係。議長がShatkin氏。フラーレンに焦点をあてて、毒性学者とリスク評価者がコミュニケーションするという意図。続く、13:30からのセッションは迷う。"M3-C Evolution of Health Risk Assessment, Part 1"は、米国規制機関によるヒト健康リスク評価の進化をたどるもの。Part 1ではEPAFDA。もう1つは、"M3-I Topics in Benefits Assessment and Valuation Sponsored by EBASG"で、金銭価値化の話。EBASGとは、SRA内にある「経済学と便益分析の専門家グループ」のこと。RFFのKrupnick氏や、Harvard大学のHammitt氏などおなじみのメンバー。15:30からのセッションは3つ候補がある。1つは"M4-B Symposium: Risk Assessment for the 21st Century. Role of the regulator, the regulated, the risk assessor and the citizen Sponsored by RCSG"で、規制機関でのリスク評価とステークホルダー参加との関係を、ATSDR、カリフォルニア州EPA、化学業界(ACC)、カナダ、EPAのIRISの担当者がプレゼン。"RCSG"とは、SRA内の「リスクコミュニケーション専門家グループ」のこと。"M4-C Evolution of Health Risk Assessment, Part 2"は先のPart 2で、作用機序(MOA)、ヒトの行動パターン、パスウェイベースのリスク評価、バイオモニタリングといった最先端の話題が並ぶ。たぶんここを聞いたかな。もう1つはナノ。"M4-I From Creation to Destruction: Life Cycle Analysis of Nanotechnology"で、EPAによるナノスケール二酸化チタンのケーススタディ、塗料でのライフサイクルリスク評価の試み、米国陸軍でのライフサイクルリスク管理

火曜日

10:30からは規制影響評価関係の"T2-E Symposium: Regulatory Review, Regulatory Design, and the New Obama Executive Order Sponsored by RPLSG"に出たと思う。大統領令の歴史から、費用便益分析やリスク分析の役割まで。もう1つの候補はナノリスクの"T2-I Symposium: Advances in Environmental Risk Assessment for Nanomaterials under Uncertainty"。13:30からのセッションは2つ候補がある。両方ともSRA内の専門家グループ主催。1つは"T3-C Poster Platform: Toxicity in an Evolving World Sponsored by DRSG"で「用量反応の専門家グループ」主催。もう1つは"T3-I Applications of Risk- and Benefit-Cost Analysis Sponsored by EBASG"で、「経済学と便益分析の専門家グループ」が主催。でも、"Round Table 2 - New Ideas for Risk Regulation"かもしれないなあ。これも規制影響評価関連。新しくOIRA長官になったSunstein氏のもとでどんな規制影響評価が行われるかにみんな興味あるんだろう。15:30からのセッションは"T4-I Managing Nanotechnology"くらいしかないなあ。

水曜日

8:30からのセッションは、ナノ関係だと、"W1-I Nanonews 1: Risk Perception and Nanotechnology"だけど、リスク認知などはちょっと飽きてきたので他で勉強タイムかも。10:30からのセッションはせっかくだから"W2-C Poster Platform/Discussion: Hormesis: Advancements and Opportunities Sponsored by DRSG"で、ホルミシスの動向をチェックしておきたい。ナノ関係だと"W2-I Nanonews 2: Risk Perception and Nanotechnology"だけどもういいや。そしてランチタイムは、Kenneth Arrow教授のお話がきけたようだ。ここを逃すともうお顔を拝見する機会はなさそう。13:30からはあんまり聞きたいのはないが、15:30からの最後のセッションでは、お待ちかねの"W4-E Symposium: Evolution Response to NRC"がある。これは、勉強会で読んだNRC(2008)"Science and Decisions"を受けて設けられたシンポジウム。この空気は味わいたかったかもしれない。