スウェーデンの公式VSL

スウェーデンでは,National Road Administration (NRA)が費用便益分析を行う際にVOSLを用いてきた.1986〜1987年に実施されたアンケート調査に報告された値(Persson and Cedervall 1991)を更新して,1997年値で1300万スウェーデンクローナ(SEK)(約2億1000万円)となっている.これに経済的費用である130万SEKを足した1430万SEKが死亡1件あたりの単位費用となる.
Vägverket (1997). Vägverkets samhällsekonomiska kalkylmodell Ekonomisk teori och värderingar. Publikation 1997:130. (pp.40〜41)
1999年,新しいアンケート調査に基づいてWTP部分を2100万SEKに引き上げるよう提案された(Lindberg and Li 1999).この提案をめぐって議論が交わされたが,1999年6月,NRAは公式値を変えないという決断を下した.Persson et al. (2001)は,新しいアンケート調査に基づいて,2233万SEK(約3億6000万円)のVOSLを提案している.