米国EPAがオゾン新大気環境基準値を提案

6月20日,とうとうEPAはオゾンの新しい全国大気環境基準値(NAAQS)を提案した(press release).現行のNAAQSは1997年に設定されたもので,第一次NAAQS(ヒト健康を保護する)が8時間平均値で0.08ppm(これは0.084ppmまでOKと解釈されている),第二次NAAQS(植物や穀物といった人々のwelfareを保護する)も第一次NAAQSと同じレベルであった.
今回の提案は,

  • 第一次NAAQSは,8時間平均値で0.070〜0.075 ppmの範囲.さらに,0.060〜0.084ppm(現行)までの範囲の代替案についてもコメントを求めている.モニター性能の向上を受けて小数点以下3桁までの値を提案している.基準値を満たしているかどうかは,1年の4番目に高い値の3年平均値が基準値以下であるかどうかで判断される.
  • 第二次NAAQSには2つのオプションが提案されている.1つは,成長期においてオゾンに繰り返し曝露することによって生じるダメージからsentitiveな植物を保護するための新しい形(W126)の基準値で,3ヶ月間の累積曝露量で表される.7〜12ppm-hoursという値が提案されている.もう1つはこれまでのように第一次NAAQSと同じレベルとするものだ.

Federal Registerへの掲載(pdfで400ページ)に続いて90日間のパブリックコメント期間とその間に4回の公聴会(8月30日と9月5日)を経て,最終的な基準値は2008年3月12日に発表される予定.
新基準値の費用と便益を推計した規制影響分析(RIA)もまもなく公表される.大気清浄法(CAA)は,NAAQSを設定する際に費用を考慮に入れることを禁じているが,大統領令12866に基づき,規制影響分析(RIA)として各代替案の費用と便益が推計されている.RIA文書は数週間以内に公表されるとのこと.

[追加]「7〜12ppm-hoursという値が提案されている」は「7〜21ppm-hours」の間違いでした.