Society for Risk Analysis 2007 Annual Meeting報告(その2)

EMNMSのミーティング

1日目のお昼にはSpecialty GroupのBusiness Meetingsがあり、メンバーになっている"Emerging Nanoscale Materials(EMNMS)"に参加した。このグループの世話人は[www.cadmusgroup.com/:title=Cadmus Group]のJo Anne Shatkin氏。彼女はもうすぐ"Nanotechnological Risks: Safety, Health, and the Environment"という著書を出すようだ。EMNMSとして2008年には2つのイベントがあって、1つは2008年6月にメキシコのグアダラハラで開催されるSecond World Congress on Riskにおいて,morning sessionを1つ主催する。セッションのタイトルは“International Perspective on Nanotechnology”(ナノテクノロジーへの国際的視点)で、スピーカーは、米国・カナダ・EU・日本からそれぞれ1人ずつ。この「日本」担当をやることになった。ちなみに米国担当はおなじみのAndrew Maynard氏。もう1つは、9月10〜11日に"deliberative workshop"(審議型のワークショップ)をGeorge Washington大学で開催し、EMNMSとしての"White Paper"(ナノテク白書)の作成を目指すということだ。

1日目午後いろいろ

午後は少し遅れて、M3.E ポスタープラットフォーム「環境化学物質の混合を評価するための統計的方法」を覗いた。EPAの人たちが、IRISにおいて、発がん機序が同じである様々なPAHsに相対ポテンシーファクター(Relative Potency Factor: RPF)を適用する試みが紹介されていた(M3-E.5〜8)。発がん以外に適用するつもりはあるかと聞いてみたが、「とんでもない」という表情で、他には水道水の塩素消毒の副産物(DBP)へ適用(M3-E.8)する予定しかないとのことだった。ただし、環境ホルモンにRPF概念を適用しているポスターはあった。午後2つ目のセッションは、M4-Hのシンポジウム「リスクベースの解析におけるヒューマンファクターの役割」。テロのリスク解析において、テロリストの心理をどのように組み込むかが議論されていた。「合理的なテロリスト」という概念をモデルに組み込む工夫だとか、「友達の友達」状態からスタートして過激派同士がつながるまでの様子をシミュレートしたものだとか、おもしろそうな感触はあったものの内容はあまり理解できなかった。

ポスターセッション

午後6時からはポスターセッション。ぼくのタイトルは、"Public acceptance and commercialization of nanotechnology products in Japan"。これまでのポスターセッションの中で一番たくさんの人と話をしたような気がする。ただ、ポスターに情報をたくさん書き込み過ぎて、「読むと時間がかかるので、要点を教えてくれ」と何人かに言われた。英語ネイティブには大丈夫かと思ったけど、確かに、ぼくだって日本語がいっぱい書かれたポスターを一瞬で理解するのはしんどい。もっとすっきりした内容にすべきだったと反省。