自発的な報告制度:米国と英国のその後

米国EPAが今年1月に開始したNMSP(Nanoscale Materials Stewardship Program)の基礎的プログラム(Basic Program)への参加の締切日である7月28日まであと1か月ちょっととなった。これまでに提出したのは3社(DuPont, Office ZPI(※), 匿名の事業者)だけで、以前からあと10社ほどが提出予定と伝えられている。半年という期間は短すぎるのではないかと当初思ったけど、あとで紹介する英国の例を見ると半年程度で十分なのかもしれない。問題はどれだけの企業から提出があれば「成功」といえるのかだ。もし成果が不十分だと判断されれば、EPAはTRIのような強制的な報告制度に移行するのだろうか?また、もう1つの詳細プログラム(In-Depth Program)への参加企業は依然ゼロ。こっちもどうテコ入れするんだろうか?
同じ問題はさらに英国で深刻だ。英国のVRS(Voluntary Reporting Scheme)は2006年9月22日から2年間の予定で開始された。4半期ごとに経過がDEFRAのウェブサイトに報告されている。報告は依然9件(報告者は明らかになっていない)のままで、産業界から7件、学術界から2件。これらはすべて最初の9か月で報告された。それ以降ゼロ行進だ。このまま行くと失敗っぽい。今年に入ってガイドラインが改訂されたのでその効果があればこれから増えるかもしれない。そして2008年9月で終了する。

※ところで米国EPAのBasic ProgramにDuPontと並んで早々と登録したOffice ZPIは日本の釣り具メーカーのことだろうか?確かに、例えばメンテナンスオイルナノ材料を使っているようだ。米国でも有名なんだろうか?