フランスではCNTの取り扱いについての勧告

フランスのHaut Conseil de la santé publique(HCSP)(公衆衛生に関する高等委員会、とでも訳すのかな)が1月20日に、「カーボンナノチューブに曝露する労働者の安全性に関する意見」をプレス発表した(pdf)。 意見自体は1月7日付けとなっている。法的位置づけやHCSPの役割などはまだよく分からないが、日本の厚生労働省による「通達」とよく似た性格の文書なのかもしれない。
勧告は2点。

  • 欧州においては、ナノ粒子を新規化学物質とみなしREACHのもとでの手続きの対象とすべき。
  • カーボンナノチューブを生産や使用する際には、エアロゾル化したり拡散したりする可能性が伴う場合は労働者を曝露から守るために厳密な封じ込め条件下で実行すべき(これは研究施設にも適用される)。

2008年6月16日にDirecteur général de la Santé(厚生省長官みたいな人か?)から委託を受けて検討を開始した。その委託のきっかけとなったのは2本の論文(Poland et al. 2008Takagi et al. 2008)である。HCSPはこれらの論文を危険性を示唆するものであるとしながらも、いくつかの点で限界を持つため、ヒトへの発がんリスクを示したものとみなすことはできないと結論づけた。