[食品]食品分野でもとうとうリスク規制が始まるか?

遺伝毒性のある化学物質について、水道水には実質的に1992年、大気汚染物質には明示的に1996年に、発がんリスクレベルに基づく規制が導入された。遺伝毒性のない発がん性物質については無毒性量(NOAEL)に不確実性係数を適用するという形で参照値が設定されている。
しかし、食品分野だけは、遺伝毒性の有無にかかわらず、動物実験で発がん性が示唆されるだけで禁止されるというアンバランスな状況が続いてきた(アルコールやコーヒーは禁止されていないという点からもアンバランスだった)。しかし、今回のアフラトキシン類の食品健康影響評価は、おそらく初めて、食品分野で、遺伝毒性ありの発がん性物質について発がんリスクに基づいた基準値が提案されることになりそうだ。例えばアカネ色素動物実験で発がん性が示唆され、遺伝毒性アリかもしれないということで禁止された。これをきっかけとして、食品分野にだけ残っていた伝統が解消されることを期待する。現在、意見募集中