Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:NIOSHの新しいCNT研究の衝撃

3月26日は、NIOSHの研究者が、マウスの肺を突き抜ける多層CNTの電顕写真を示した話。米国毒性学会(Society of Toxicology)の年会でのこと。昨年のPoland et al.レターインパクトは大きかったが、1)現実の曝露経路と異なっている、2)吸入されたCNTがどうやって肺の外側に移動するのか、という大きな不確実性があった。これらの条件がそろわないと、中皮腫にはつながらない。NIOSHの最新の研究はこれらのステップの1つを埋めるものになるかもしれない。ただし、まだピアレビューを受けてない段階であることに注意。NIOSHが得意な咽頭吸引で、マウスの肺に多層CNT懸濁液を送り込み、肺からの移動が追跡された。そこで肺胞から胸膜へ移動していることを発見した。発表者は、これらのデータは予備的なもので結論づけたものではないと強調していたとのこと。曝露方法、投与量、動物の種類などで結果は違ってくるかもしれない。詳しくは、NIOSH Science Blogの3月19日のエントリを参照。書き手はCastranova氏ら4名の連名となっている。