米国でナノテクノロジーの環境・健康・安全(EHS)側面への公的投資が急増

2月に発表された国家ナノテクノロジーイニシアティブ(NNI)の研究開発投資額の集計値(pdf)によると、環境・健康・安全(EHS)への投資額は順調に伸びて、2011年度予算での提案額は初めて1億ドルを超えた。ちなみにナノテク予算の総額は17億6160万ドルなので、6.6%に相当する。この数字も、2009年の4.4%、2010年の5.1%から順調に伸びている。特に、NIOSH(労働安全衛生研究所)、CPSC(消費者製品安全委員会)、FDA(食品医薬品局)の予算が急速な伸び。FDAは、化粧品・食品・医薬品といったナノテク消費者製品の監督官庁であり、2006年に早々と「タスクフォース」を設置したにもかかわらず、2007年のレポートと2008年の公聴会以外に目立った動きはなかった。予算倍増の動きは、製品安全に向けた取組が始まるのかもしれない。同じく消費者製品を扱うCPSCも、前年比10倍の予算を提案している。縦軸は100万ドル。