ナノ

欧州の動きを追っかけ

欧州での動きが早い。6月に欧州に2度行く予定なので基礎知識をつけておかないと! 新規食品(novel foods)に関する規制の改正案を採択 化粧品指令が採択された翌日の3月25日、欧州議会は、委員会提案の、新規食品(novel foods)に関する規制の改正案を修正…

欧州議会で化粧品指令改正案が採択

欧州議会(EP)は3月24日、 Cosmetics Directive 76/768/EECの改正案を、賛成633、反対29、棄権11で承認した。1回目の読会で成立したことになる。新しい法律は2012年に施行される。「ナノマテリアル」に多くの箇所で言及したことが特徴。採択された法律のテ…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:NIOSHの新しいCNT研究の衝撃

3月26日は、NIOSHの研究者が、マウスの肺を突き抜ける多層CNTの電顕写真を示した話。米国毒性学会(Society of Toxicology)の年会でのこと。昨年のPoland et al.レターはインパクトは大きかったが、1)現実の曝露経路と異なっている、2)吸入されたCNTがど…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:カーボンナノチューブのリスク管理の話

3月17日は、カーボンナノチューブのリスク管理の話。英国HSE(Health and Safety Executive)が"information sheet"という形で、5ページの「カーボンナノチューブのリスク管理」を3月6日、発表した。"information sheet"は法的拘束力がないガイダンス文書であ…

ICONブログ追っかけ

ICONブログはKulinowski氏が書いている。Maynard氏のブログとともにこっちも追っかけ。 2月19日は、3月9〜10日にヒューストンで開催されたワークショップのお知らせ。タイトルは「工業ナノ材料の環境に責任のある設計と処分」で、3回目という位置づけ(1回目…

NIOSHからCNTsのリスク評価のための情報提供のお願い

4月8日、米国NIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health)が官報(Federal Register)に「単層CNTsおよび多層CNTsを含むCNTsに関する情報提供のお願い」を発表した(pdf)。パブリックコメント期間は2009年5月15日まで。科学的データを検…

英国IOMによる「HARNレポート」続き

HARNレポートのタイトルは「高アスペクト比ナノ粒子(HARN)はアスベスト繊維と同様な懸念を引き起こすのかどうか判断するための予備調査」。著者には、IOMのメンバー以外に、エジンバラ大学のDonaldson氏やネーピア大学のStone氏らも含まれている。アスベス…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

12月1日の工業ナノ材料の曝露基準値の話の詳細。 12月1日のエントリの「工業ナノ材料の曝露基準値の話」は重要文献を列挙しただけだったので補足。まず起点はEDFとDuPontによるNano Risk Framework(NRF)だ。Maynard氏はNRFの欠点として、曝露評価のための…

最近出た報告書類を一挙まとめ

自分のためのメモという感じで。 EuのScientific Committee on Emerging and Newly Identified Health Risks(SCENIHR)から"Risk Assessment of Products of Nanotechnologies"(pdfで71ページ)がリリース。 米国NIOSHから"Current Intelligence Bulletin …

サンスクリーンにおける酸化亜鉛を巡る動き

非常にややこしいので自分用に整理。まず、2月あたまに、スウェーデンの医薬品庁(Medical Products Agency)は酸化亜鉛の粒子をUVフィルターとして使用したサンスクリーンを販売していた10社に対して製品の販売禁止を命じた(ニュース)。この措置は、そも…

カナダでの公式発表(?)

上で、公式発表はまだ?と書いたんだけど、カナダ政府の官報にあたる"Canada Gazette"の2月21日号に出ている、カナダ環境保護法1999の"Significant New Activity Notice No. 15274"がそれに当たるんだろうか?ここでは「年間10kg以上」となっている(事前の…

そろそろTSCA Sec.5に基づく監視を開始か?

米国EPAは2008年10月31日に発表した官報通知の中で、カーボンナノチューブ(CNT)を新規物質であることを明確に宣言し、生産・輸入する事業者はPremanufacturing Notice(PMN)の提出を義務付けた(リンク)。その際に、「2009年3月1日以降に、EPAは、CNTを…

「ナノではない」という注意書き

スイスの会社Sanitized AGが、結合剤が不要の抗菌剤である"Sanitized® Silver"を米国で発売開始というニュース。わざわざ以下のような記述がある。これは忍び寄る規制の影を察知しての対応だろう。2年前くらいと状況は急速に変わってきた(「ナノ訴求」→「何…

オーストラリアでの皮膚がんvs.ナノリスク

オーストラリアはいま夏だということもあって盛り上がっている(記事)。年間1600人が皮膚がんで死亡しているオーストラリアでは「予防原則」の位置づけも違ってくる。サンスクリーンに含まれている二酸化チタンと酸化亜鉛の危険性を指摘し、予防原則(つま…

[米国]NNI再授権&改正法案が下院を通過。

米国下院で、National Nanotechnology Initiative Amendments Act of 2009(H.R.554)が2月11日、圧倒的多数賛成で通過した(リンク)。第3節のタイトルは「ナノテクノロジーの社会的側面」で、最初に、Coordinator for Societal Dimensions of Nanotechnolo…

社会的責任投資が企業に情報公開を求める動き

Investor Environmental Health Network(IEHN)によると、社会的責任投資の一環で、ファンドが株主決議の提案を通して、企業にナノ材料を用いた製品やその安全性、社としての方針、規制を超えた対応についての情報の開示を求める動きが始まっているようだ。…

欧州系の小ネタ集

欧州プロジェクト"ENRHES"がウェブ上で企業アンケート 欧州の新しいプロジェクト、ENRHES(Engineered Nanoparticles: Review of Health and Environmental Safety)。目的は、フラーレン、CNTs、金属や金属酸化物のナノ材料のヒト健康や環境への影響の包括…

フランスではCNTの取り扱いについての勧告

フランスのHaut Conseil de la santé publique(HCSP)(公衆衛生に関する高等委員会、とでも訳すのかな)が1月20日に、「カーボンナノチューブに曝露する労働者の安全性に関する意見」をプレス発表した(pdf)。 意見自体は1月7日付けとなっている。法的位…

ドイツでスタートしたInno.CNT(イノセント)

Inno.CNT(「イノセント」と発音する。もうちろん"innocent"と掛けている)というプロジェクトの発足イベントが1月26日にレバークーゼンで開催された(nanowerk記事)。正式名称は"Innovationsallianz Carbon Nanotubes"(Innovation Alliance Carbon nanotub…

カリフォルニア州がCNTsに関する情報提供を正式に要請

1月22日、カリフォルニア州のDepartment of Toxic Substances Control (DTSC) が、カーボンナノチューブ(CNTs)の生産・輸入を行う者に対して正式に情報提供の要請を行った(ウェブサイト)。正式な要請レター(pdf)は26の企業や研究機関に送付された。準…

2月中にカナダが強制的報告制度の導入を発表するらしい

情報源はEnvironment Canadaの関係者。もともとカナダは、2007年9月に提案されたフレームワークのもとで、2008年からスタートするフェーズ2の中のアジェンダに入っていて、さらに、OECDが2008年6月に開いたWPNMの第4回ミーティングでは2008年秋にも導入する…

工業ナノ材料の強制的な報告制度を提案

フランスではサルコジ大統領のもと、「環境グルネル」という環境懇談会が2007年に実施され、そこでまとめられた報告書に基づいた法案が2008年4月に提案された。これは2つに分けられ、最初の「環境グルネル第1法案」が2008年10月にフランス議会で可決された。…

NNI改正法案が再び新政権のもとで提案

昨年下院を(407対6の圧倒的差で)通過したものの、選挙などで流れてしまったNNI改正法案(National Nanotechnology Initiative (NNI) Amendments Act of 2009 (H.R. 554))と同じ法案が再び下院のScience and Technology Committeeに提出された(リンク)。…

ナノEHS論文の洪水の中で優先順位を付ける

ICONの"The Virtual Journal of Nanotechnology Environment, Health and Safety"は、ナノ材料のEHS(環境健康安全)問題を扱った最新の論文を次々紹介してくれてとても便利なんだけど、最近関連論文が多くなってきて優先順位を付けてほしいという要望(ある…

厚生労働省の通知の意見募集開始(法的な位置づけは?)

2008年2月7日に出された労働基準局長通知「ナノマテリアル製造・取扱い作業現場における当面のばく露防止のための予防的対応について」(pdf)を改訂するにあたっての「見直し案の骨子」が発表され、2月22日(日)までパブコメにかけられている(リンク)。 …

Andrew Maynard氏のBlog追っかけ再開

去年の9月から貯まってるブログの追いかけを再開。 9月9日は「銀ナノ:古い問題、それとも新たなチャレンジ?」 ここで取り上げられたのはPENの報告書シリーズ第15弾の"Silver Nanotechnologies and the Environment: Old Problems or New Challenges?"で著…

官報のPMN(製造前届出)情報をチェックしてみた(その2)

2009年になって新たにCNTの届け出があったようなので、前回に続いて、2009年1月5日付のFederal Register(Volume 74, Number 2)をチェックしてみた。多層カーボンナノチューブが2件出ていた。Case No.は、P-08-0733とP-08-0734に分かれているのだけど、とも…

研究会でのプレゼン「工業ナノ材料に関する自主的取組」

経済産業省の「ナノマテリアル製造事業者等における安全対策のあり方研究会」の、昨年末の12月25日に開催された第2回研究会で「工業ナノ材料に関する自主的取組」というタイトルで話をした(pdf)。配布資料はすべてウェブで公開されている。欧米で実施され…

Selah technologies社がいきなりIn-Depth Programに参加表明

1月19日に予定通り中間評価が出た米国EPAのNMSP(Nanoscale Materials Stewardship Program)に、これまで参加者リストに載っていなかったSelah Technologies社が、In-Depth Programの方に参加するぞというプレスリリースを発表した。これまでEPAによると、I…

REACHの予備登録リストにナノ材料

欧州の化学物質庁(ECHA)は12月1日に締め切られた予備登録物質(Pre-Registered Substances)のリストを12月19日に公開した(pdf)。リストのページで"nanotube"等で検索して見つけたナノ材料は以下の5件。 Fullerenes, tubular(同意語としてCarbon Nanotub…