2009-01-01から1年間の記事一覧

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

4月2日は、中国の電池技術の進歩についての話。 New York Times紙の記事に触発されて書かれたエントリ。 4月3日は、21世紀のための科学技術を再考するパート2 パート2は、"Coupling"について。カップリングとは、社会(人間)の活動と地球環境の間の切っても…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

3月30日は、食品へのナノテク応用についてのゲストブログ。 最近、食品へのナノテク応用とそのリスクについての議論が盛んだ。2009年初めには英国上院が食品部門におけるナノテク利用に関する調査を開始した。3月には欧州EFSAが食品や餌へのナノテク利用によ…

欧州議会で化粧品指令改正案が採択

欧州議会(EP)は3月24日、 Cosmetics Directive 76/768/EECの改正案を、賛成633、反対29、棄権11で承認した。1回目の読会で成立したことになる。新しい法律は2012年に施行される。「ナノマテリアル」に多くの箇所で言及したことが特徴。採択された法律のテ…

カリフォルニア州が"Call-in Program"2物質を追加

カリフォルニア州DTSCが、Health and Safety Code, Chapter 699, Sections 57018-57020に基づき、1月22日、CNTsに関する情報提供を26の企業や研究機関に呼びかけた(リンク)。3月に入って、CNTsに加えて、"Call-in Program"に2物質を追加した(pdf)。1つは…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:NIOSHの新しいCNT研究の衝撃

3月26日は、NIOSHの研究者が、マウスの肺を突き抜ける多層CNTの電顕写真を示した話。米国毒性学会(Society of Toxicology)の年会でのこと。昨年のPoland et al.レターはインパクトは大きかったが、1)現実の曝露経路と異なっている、2)吸入されたCNTがど…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

3月19日は、21世紀のための科学技術を再考するパート1 Maynard氏が最近使う「3つのC」の話。ここではイントロで次回以降それぞれについて詳しく語られる。 Communication:人々と組織の間の情報の流れが重要になっていること Coupling:社会と地球の間の関…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ:カーボンナノチューブのリスク管理の話

3月17日は、カーボンナノチューブのリスク管理の話。英国HSE(Health and Safety Executive)が"information sheet"という形で、5ページの「カーボンナノチューブのリスク管理」を3月6日、発表した。"information sheet"は法的拘束力がないガイダンス文書であ…

Maynard氏のブログ追っかけ

2月11日は、ダーウィン生誕200年から合成生物学へという話。 ダーウィンが切り開いた現代生物学は、遺伝コードを解読し、デジタル化し、それらを操作あるいは創作し、生命体に戻すという方向に向かっている。皮肉なことに、それは、ダーウィン流進化論への反…

ICONブログ追っかけ

ICONブログはKulinowski氏が書いている。Maynard氏のブログとともにこっちも追っかけ。 2月19日は、3月9〜10日にヒューストンで開催されたワークショップのお知らせ。タイトルは「工業ナノ材料の環境に責任のある設計と処分」で、3回目という位置づけ(1回目…

NIOSHからCNTsのリスク評価のための情報提供のお願い

4月8日、米国NIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health)が官報(Federal Register)に「単層CNTsおよび多層CNTsを含むCNTsに関する情報提供のお願い」を発表した(pdf)。パブリックコメント期間は2009年5月15日まで。科学的データを検…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

1月28日は、ジオエンジニアリングとジオエシックスの話。 ちょうどニュースや記事が重なったということでジオエンジニアリングの話。1つ目は、インドとドイツの科学者による大規模ジオエンジニアリング実験が2月始めに開始されるという話(リンク)。これはL…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

1月25日は、異分野の人たちにナノテクノロジーの重要性をいかに語るかという話。 ナノスケールでまったく異なる振る舞いをするようになるのだと言っても、目に見えない以上説得的ではない。ではどうするか。1つはアナロジーを使うというもの。Maynard氏はメ…

英国IOMによる「HARNレポート」続き

HARNレポートのタイトルは「高アスペクト比ナノ粒子(HARN)はアスベスト繊維と同様な懸念を引き起こすのかどうか判断するための予備調査」。著者には、IOMのメンバー以外に、エジンバラ大学のDonaldson氏やネーピア大学のStone氏らも含まれている。アスベス…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

1月13日は"public engagement"(いまだに何と訳したらいいのか分からない)の話。 オバマ政権が"public engagement"を重視していることから、ナノテクの話へ。そもそも2003年に成立した「21世紀ナノテクノロジー研究開発法」にも"public input and outreach"…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

12月26日は、家庭でできる"synthetic biology"の話。 Associated Pressで報道された「バイオハッキング(biohacking)」、つまり、自分の家でメラミンを検出するバクテリアを人工的に作ってしまったという女性の話。こういうのを"DIYBio"というらしい。ナノ…

[ナノ]"MINChar Initiative"によるパラメータのリスト

10月のワークショップには、大学や公的研究機関からだけでなく、Dow、BASF、ACCといった企業(団体)からも参加していることも見逃せない。BASFからは2人も。ワークショップでの議論のベースになったこのプレゼンがとても便利。ISO草稿(2008)、OECD(2008…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

12月13日は、「Twitterで科学技術コミュニケーションが可能か」実験の結果報告。 新しいもの好きなMaynard氏は、12月8日〜12日の5日間、Twitterで毎日5回ずつメッセージを流すという実験を行った。科学技術コミュニケーションにTwitterは有用かどうかがテー…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

まだ2008年だ。 12月10日は、科学技術イノベーションへの「愛のむち」の話。 National AcademiesのNational Research Councilから発表された報告書「ナノテク関連の環境健康安全研究についての連邦政府の戦略に関するレビュー」が取り上げられた。そもそも20…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

12月1日の工業ナノ材料の曝露基準値の話の詳細。 12月1日のエントリの「工業ナノ材料の曝露基準値の話」は重要文献を列挙しただけだったので補足。まず起点はEDFとDuPontによるNano Risk Framework(NRF)だ。Maynard氏はNRFの欠点として、曝露評価のための…

レーザープリンターから放出される微粒子

レーザープリンターから放出される微粒子が以前から問題になっていた。この微粒子はトナー起源だと想定されていた(ぼくもそう思ってた)けど、発生メカニズムや構成要素は特定されていなかった。Morawska氏らの研究で、トナーが紙に溶けて、高温のときある…

最近出た報告書類を一挙まとめ

自分のためのメモという感じで。 EuのScientific Committee on Emerging and Newly Identified Health Risks(SCENIHR)から"Risk Assessment of Products of Nanotechnologies"(pdfで71ページ)がリリース。 米国NIOSHから"Current Intelligence Bulletin …

サンスクリーンにおける酸化亜鉛を巡る動き

非常にややこしいので自分用に整理。まず、2月あたまに、スウェーデンの医薬品庁(Medical Products Agency)は酸化亜鉛の粒子をUVフィルターとして使用したサンスクリーンを販売していた10社に対して製品の販売禁止を命じた(ニュース)。この措置は、そも…

EPAの人事異動(George Gray氏)

米国EPAのOffice of Research and Development (ORD)のトップであったGeorge Gray氏が、新政権発足に合わせてEPAを去ったようだ。Gray氏はHarvard Center for Risk Analysisの前のセンター長(その前は設立者で同じくBush政権に入ったJohn Graham氏)。彼の…

カナダでの公式発表(?)

上で、公式発表はまだ?と書いたんだけど、カナダ政府の官報にあたる"Canada Gazette"の2月21日号に出ている、カナダ環境保護法1999の"Significant New Activity Notice No. 15274"がそれに当たるんだろうか?ここでは「年間10kg以上」となっている(事前の…

そろそろTSCA Sec.5に基づく監視を開始か?

米国EPAは2008年10月31日に発表した官報通知の中で、カーボンナノチューブ(CNT)を新規物質であることを明確に宣言し、生産・輸入する事業者はPremanufacturing Notice(PMN)の提出を義務付けた(リンク)。その際に、「2009年3月1日以降に、EPAは、CNTを…

「ナノではない」という注意書き

スイスの会社Sanitized AGが、結合剤が不要の抗菌剤である"Sanitized® Silver"を米国で発売開始というニュース。わざわざ以下のような記述がある。これは忍び寄る規制の影を察知しての対応だろう。2年前くらいと状況は急速に変わってきた(「ナノ訴求」→「何…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

まだまだ続く。 11月26日は、カーボンナノチューブがスピーカーに、の話。 Nano Letters誌に載った論文とそこでフィーチャーされたムービー。カーボンナノチューブがスピーカーにってことで日本語のニュースでも報じられたように思う。ただ、まだその仕組み…

オバマ大統領が新たな規制政策に向けて動き出した。

1月30日、オバマ大統領は大統領令13497号に署名し、規制影響分析(RIA)を命じた大統領令(レーガン政権の12291号→クリントン政権の12866号→ブッシュ政権の13258号→さらに13422号)を廃止した。またこれと同時に行政府の長に向けた覚書を発表した。内容は、…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

11月6日は、ナノテクノロジーと化粧品の話。 UKの消費者団体であるWhich?の報告書"Small Wonder? Nanotechnology and Cosmetics"(この報告書は以前ここで詳細に取り上げた)。Maynard氏の評価は「非常に優れた報告書」で「読め」とのこと。Maynard氏は報告…

Andrew Maynard氏のブログ追っかけ

10月16日は教育用DVD"Talking Nano"の話。 Nanoscale Informal Science and Engineering (NISE) Networkから発売された教育用DVD6本組"Talking Nono"の紹介(今見るとストックが切れているようだ)。 10月20日は最近にわかに盛り上がっている"Nanofoods"の話…